一人親方の経営上の悩みは、すでに職場の一人で悩まずに先輩などに聞きながら行っていると思いますが、それだけでは心もとない人もいるかもしれません。
かといって、自分でネットで検索してもどの情報を信じればよいのかわからないこともあるでしょう。
そうした場合、ぜひお近くの商工会議所も活用してください。 商工会議所は敷居が高い、というイメージもありますが、実は誰でも利用できます。
会員にならなくても活用できるサービスがあり、それが一人親方の経営を助けます、 今回は無料で誰でも活用できる一人親方向けの商工会議所サービスと、会員になったらぜひ利用していただきたいサービスを紹介します。
商工会議所にはまだまだメニューがありますが、一人親方が使えるメニューを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
一人親方こそ商工会議所を活用すべき理由
商工会議所は大きな会社や地元の有名企業が利用するものと考えている一人親方の方、実は商工会議所はみなさまのような個人事業主や中小企業(小規模事業者)向けの組織なのです。
規模が小さく、なかなか専門家に依頼しづらい事業主様を公的な組織として助けるのが商工会議所の存在意義です。
ぜひ一人親方のみなさま、商工会議所を活用し尽くすくらいの姿勢でいてください。
それでは商工会議所について紹介していきます。
商工会議所は地域の事業者を支援する公的な経済団体
商工会議所は、地域の商工業者によって組織された経済団体です。
地域の事業者の経営を支援し、地域経済の発展を図ることを目的としています。
国や自治体と連携しながら、経営相談や融資のあっせん、補助金情報の提供、創業支援など、さまざまなサービスを提供しています。
中小企業だけでなく個人事業主も対象となるため、一人親方にとってとても役立つ公的相談機関になります。
一人親方・個人事業主でも利用できる
一人親方も立派な個人事業主なので、各商工会議所の最低会費(個人事業主は各商工会議所で一番会費が安い)で会員になれます。
そして、各種サービスを受けられます。 商工会議所は大企業や法人だけを対象にした組織ではありません。
建設業の一人親方や小売店、町の飲食店、フリーランスなど、地域で事業を営む個人事業主も加入できます。
無料で利用できるサービスも多い
商工会議所は会員にならなければ何も利用できないわけではありません。
経営に関する一般的な相談や創業相談、補助金・助成金に関する情報提供、各種セミナーなど、非会員でも無料で利用できるサービスがあります。
商工会議所によって内容は異なりますが、「会員になるか迷っている」という一人親方は、まず無料相談を利用してみるのもよいでしょう。
無料でも十分利用できるメニューが多く、それを利用し、経営相談したうえで、会員になるメリットを判断すればOKです、
一人親方が無料で利用できる商工会議所のサービス
一人親方が無料で利用できる商工会議所のメニュー、サービスを紹介します。
商工会議所には「経営指導員」という資格を持った職員がいて、彼らから無料でさまざまなサービスを受けられます。
経営相談・創業相談
商工会議所のメインメニューとして、経営相談があります。
経営に関する相談を経営指導員や専門家(経営コンサルタントや中小企業診断士)が受けます。
また、従業員から一人親方として独立開業する際の手続き方法や、運転資金の確保方法など金融についても合わせて指導を受けられます。
資金調達、特に運転資金確保は一人親方の経営安定に直結するので、ぜひ定期的に相談を受けてはいかがでしょうか?
補助金・助成金の相談
資金は借りるだけではなく、補助金や助成金という返済不要の公的資金で補うこともできます。
補助金や助成金は、制度の種類が多く、募集期間や申請要件もそれぞれ異なります。
そのため、自分一人で情報を探し、手続きするのは至難の業です。
そこで商工会議所では、国や自治体などが実施する補助金・助成金の情報提供や、制度の概要に関する相談を受け付けています。
例えば、小規模事業者持続化補助金などについて、申請を検討している一人親方が相談することも可能です。
ただし、申請書の作成をすべて代行してくれるわけではありません。
マル経融資などの相談
資金調達について相談できることも、商工会議所を利用するメリットです。
代表的な制度が「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」です。
無担保、無保証人、低利、据え置きあり、運転資金、設備資金両方利用可能という非常に使い勝手が良い融資になります。
商工会議所の経営指導を受けた小規模事業者が、日本政策金融公庫から融資を受ける制度で、商工会議所が直接お金を貸すわけではありません。
転資金や設備資金が必要になった一人親方は、早めに相談してみましょう。
記帳・確定申告に関する相談
一人親方になると、売上や経費を自分で管理し、毎年確定申告をしなければなりません。
商工会議所では、帳簿の付け方や会計処理、確定申告に関する基本的な相談を受けられる場合があります(昔に比べれば減っています。会計ソフトが使いやすくなったので)。
特に、開業したばかりで「何を経費にできるのか」「青色申告とは何か」といった疑問がある人には役立ちます。
ただし、複雑な税務判断や節税対策は税理士への相談が必要です。
あくまで一時的な記帳相談として商工会議所は役立ちます。もちろん確定申告は本人か税理士にしかできません。
専門家(税理士・行政書士・社会保険労務士など)の無料相談
商工会議所では、弁護士、税理士や司法書士、社会保険労務士などの専門家による無料相談会を開催していることがあります。
法律(業務に関係する)、税務、許認可、労務などについて、専門家に直接相談できる貴重な機会です。
例えば、建設業許可の取得や法人化、従業員を雇用した場合の社会保険など、一人親方が将来直面する問題を相談できます。
開催内容や相談時間は商工会議所ごとに異なります。
売掛金の回収ができない場合の弁護士相談なども可能です。
セミナー・講習会への参加
商工会議所では、経営や税務、補助金、IT活用、インボイス制度などをテーマにした無料セミナーが開催されています。
一人親方にとっては、普段なかなか勉強する機会のない経営知識を学べる場です。
テーマによっては、同じ地域で事業を営む一人親方と知り合える可能性もあります。
興味のあるテーマがあれば、積極的に参加してみましょう。
無料なので損はしないはずです。
商工会議所の会員になると利用できるサービス
無料で利用できる各種サービスが「使える」と判断したら、会費を払って会費になることもありです。
会費は「個人事業主」なのでどの商工会議所でも一番低い金額に抑えられています。
年間1万円とか1.5万円で以下のサービスを受けられるとしたら安いと考える一人親方も多いはずです。
一人親方の特別加入制度
建設業の一人親方にとって重要なのが、労災保険の特別加入制度です。
通常、労災保険は労働者を対象とする制度ですが、一人親方は一定の要件を満たせば特別加入できます。
商工会議所によっては、会員向けに一人親方の労災保険特別加入に関する手続きや窓口を設けている場合があります。
仕事中や通勤中の事故に備えるためにも、加入を検討しましょう。
健康診断・福利厚生サービス
一人親方個人事業主なので会社員のように、勤務先が健康診断を手配してくれるわけではありません。
商工会議所では、会員向けに健康診断や人間ドックなどを通常より利用しやすい条件で提供している場合があります。
また、レジャー施設や宿泊施設の割引など、福利厚生に関するサービスを提供しているケースもあります。
仕事だけでなく、自身の健康管理や生活面のメリットも確認してみましょう。
共済・生命保険・損害保険の団体制度
商工会議所の会員になると、会員向けの共済制度や生命保険、損害保険などに加入できる場合があります。
団体制度のため、個人で加入する保険とは異なる条件で利用できることがあります。
一人親方にとっては、病気やけがによる休業、万が一の死亡、事業上の損害などに備える選択肢の一つです。
ただし、保障内容や保険料は制度ごとに異なるため、自分に必要な保障かどうかを確認しましょう。
会員向け視察会
商工会議所によっては、会員向けに企業視察会や工場見学、地域産業の視察会などを開催しています。
1日5,000円~10,000円くらいでバスをチャーターし、普段見られない工場見学、酒蔵見学(試飲付き)など破格のサービスを全部事務局がやってくれます。
普段、一人で仕事をしている一人親方にとって、他社の経営方法や設備、仕事の進め方を知る機会になります。
また、視察先だけでなく、参加者同士の交流から新たな人脈や仕事につながる可能性もあります。
開催内容は地域によって異なるため、案内を確認しましょう。
異業種交流会・青年部
商工会議所には、会員同士が交流する異業種交流会や、若手経営者を中心とした青年部などがあります。
建設業の一人親方が、飲食店や不動産業、士業など、普段の仕事では接点のない事業者と知り合えるのが魅力です。
すぐに仕事につながらなくても、困ったときに相談できる経営者仲間ができることは大きなメリットです。
地域の人脈を広げたい人は、積極的に参加するとよいでしょう。
ただノリは古いので合わない人は合わないかもしれません。
一人親方に特におすすめしたい商工会議所の活用法
一人親方が商工会議所を上手に「使い倒す」には例えば、以下のような方法があります。
参考にしてみてください。
開業したらまず経営相談を利用する
一人親方として開業したばかりの時期は、目の前の仕事に追われ、経営について考える余裕がないかもしれません。
しかし、早い段階で商工会議所の経営相談を利用しておくと、事業計画や資金繰り、帳簿の付け方など、今後必要になる基本的な知識を整理できます。
まずは「何を相談したらよいか分からない」という状態でも、気軽に相談してみましょう。
設備投資や資金繰りは早めに相談する
車両や工具、機械などの設備投資には、まとまった資金が必要になります。
また、建設業では仕事を受注してから入金されるまで時間がかかり、資金繰りに悩むこともあります。
資金が足りなくなってから相談するのではなく、設備投資や運転資金が必要になった段階で、早めに商工会議所へ相談しましょう。
マル経融資以外の融資についても提案を受けられます。
各種補助金の相談をする
新しい工具や機械の導入、ホームページの作成、販路開拓などに取り組む場合、補助金を利用できる可能性があります。
ただし、補助金は「お金が必要になったから申請する」というものではなく、制度ごとに対象となる事業や経費、申請期限が決められています。
商工会議所では、利用できそうな制度の情報提供や申請に関する一般的な相談を受けられる場合があります。まずは早めに情報収集しましょう。
税理士に依頼する前に相談してみる
税務や会計について疑問があっても、いきなり税理士と顧問契約を結ぶことに抵抗がある一人親方もいるでしょう。
そのような場合は、まず商工会議所の無料相談を利用する方法があります。
記帳や確定申告に関する基本的な疑問を解消できるほか、必要に応じて税理士などの専門家を紹介してもらえる場合もあります。
ただし、複雑な税務処理や本格的な節税対策は、税理士に依頼しましょう。
この場合は費用が発生します。
【まとめ】一人親方は無料サービスだけでも十分商工会議所を活用する価値がある
一人親方は、商工会議所の会員にならなくても、経営相談や創業相談、補助金に関する情報提供、セミナーなどを利用できる場合があります。
開業したばかりで経営について分からないことがある人や、設備投資・資金調達を検討している人は、まず無料相談を利用してみるとよいでしょう。
さらに、会員になれば、共済制度や保険、健康診断、視察会、異業種交流会など、商工会議所ごとのさまざまなサービスも利用できます。
会費やサービス内容は地域によって異なるため、近くの商工会議所に確認してみてください。
それ以上の税務、資金調達の専門的内容はぜひ税理士事務所に相談してください。
当事務所では一人親方の開業の相談・サポートをしています。
相談をご検討の方は、下記フリーダイヤルまたはお問い合わせフォームまでお気軽にご連絡ください。